関東温泉地の「ブランド健康診断」

温泉地のブランド力が競争を左右する

 国内旅行需要が再び高まる中、関東近郊の温泉地は、癒しと非日常を求める旅行者にとって人気の目的地です。しかし、箱根、熱海、草津、鬼怒川、伊香保、湯河原といった温泉地は、激しい競争の中でどう差別化を図っているのでしょうか?

 ブランドの「健康度」――認知度、宿泊経験、推奨度、イメージ――は、観光地経営やマーケティング戦略の鍵を握ります。

 私たちは、首都圏1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)に在住する15~59歳の男女200人を対象に、関東6温泉地のブランド調査を実施しました。

 結果、箱根がほぼすべての項目で圧倒的なスコアを記録し、熱海がそれに続く一方、他の温泉地にも独自の強みが浮かび上がりました。

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温泉地ブランド評価(首都圏から行ける温泉地編)

 この記事では、調査の概要と結果を公開し、観光業やブランド戦略に携わる方々への示唆を探ります。貴社のビジネスにも応用可能なインサイトをご覧ください。

調査概要

  • 対象:首都圏1都3県在住の15~59歳の男女、200サンプル(性別・年代比率割付)
  • 調査対象温泉地:箱根、熱海、草津、鬼怒川、伊香保、湯河原
  • 調査項目:純粋想起、認知率、宿泊経験率、推奨度、リピート経験率、各種ブランドイメージなど
  • 実施時期:2025年5月
  • 調査方法:オンラインアンケート

箱根が圧倒的ブランド力を持ち、熱海がそれに続く

 今回の調査では、純粋想起、認知率、宿泊経験率、推奨度(NPS)、リピート経験率、ブランドイメージ(くつろげる、料理がおいしい、楽しい など)、メディア接触などのほぼすべての項目において、箱根がトップ水準のスコアを記録しました。

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箱根ブランドの健康診断結果

箱根の圧倒的なブランド力

 箱根は、純粋想起で50%、直近3年の宿泊経験率で31%、推奨率87%、と多くの項目で他の調査対象地域を大きく引き離しました。
首都圏からのアクセスの良さ、豊富な観光資源、多様な宿泊施設が、幅広い層に支持される要因と考えられます。

 また、認知や宿泊経験、リピートなどのファネル指標スコアで見ても調査対象エリア平均を大きく超えており、箱根エリアのブランドが非常に健全な状態であることが分かります。

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箱根ブランドのファネル指標スコア

熱海はメディア展開を駆使して追いかける

 熱海は、多くの項目で箱根に次ぐスコアを記録。近年再開発が進み、若年層や家族連れへの訴求が進んでいることが伺えます。
 特に地域全体をあげて、メディア誘致やSNS投稿促進に力を入れた結果、メディア接触のスコアは、箱根と同等レベルに達しています。

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メディア接触のスコア

温泉地ごとにそれぞれの特徴

 草津は「楽しめる」ブランドイメージが強く、想起や接触のスコアが高い。鬼怒川は認知や想起が草津に劣るものの、ブランドイメージのスコアは総じて高い。湯河原は認知やメディア接触が他の温泉地よりも低いものの、リピート率や推奨率は強いため、発信力の強化による成長余地があると考えられます。

なぜ「ブランドの健康診断」が必要か

 観光業に限らず、ブランドの健康度を把握することは競争市場での差別化の第一歩。認知度やイメージのギャップをデータで可視化し、戦略を構築できます。私たちの「ブランドの健康診断」は、貴社のブランドを次のレベルへ導きます。

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 この温泉地調査は一例にすぎません。大手だけでなく小規模ブランドにも対応し、特にリソースが限られる小規模ブランドにこそ、ブランドの健康診断は成長の鍵です。観光業、ニッチな消費財メーカー、スタートアップなど、どんな業界でも、ブランドの認知度やイメージを競合と比較し、成長のヒントを提供します。
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